在留資格「短期滞在」とは?申請から取得までのポイントを解説!

,

外国の企業のビジネスマンを打合せで日本に招待したい、外国の家族を一時的に日本に呼びたい、または外国の方が観光で日本を訪れたい、そのような場合、「短期滞在ビザ」を取得する必要があります。

しかし、「どのような手続きが必要なのか?」「そもそもビザが必要なの?」「申請時のポイントは?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、短期滞在ビザの基本情報から申請方法、種類までを分かりやすく解説します。

これから日本への渡航を考えている方や、外国人の招へいを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

短期滞在ビザとは?

短期滞在ビザの概要と目的

短期滞在ビザは、観光や短期商用など、日本への一時的な滞在を目的とする外国人に発給される在留資格です。

滞在期間は 15日、30日、または90日以内 のいずれかの期間になります。

このビザでは、就労活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬)は認められていません。例えば、外国の会社の社員が日本の企業と打ち合わせをするための出張や、短期間の文化活動のための訪日であれば取得可能ですが、日本国内で就職したり、アルバイトをしたりすることはできません

適用される活動内容

短期滞在の在留資格については、入管法で

「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」

と規定されています。

具体例としては以下のようなものが考えられます。

観光:旅行目的での訪日(例:日本の観光地を巡る、友人と旅行する など)
親族・知人訪問:日本に住む親族や友人を訪れる(例:結婚式に参加、孫の誕生日を祝う など)
商用(ビジネス目的):外国に基盤があることを前提に日本に出張して行う、会議、商談、セミナーへの参加やその他短期の商用活動(例:取引先との打ち合わせ、展示会視察 など)
文化・スポーツ活動:競技会、コンテストへの参加(例:国際的なスポーツ大会への出場、音楽や美術のコンクールへの参加 など)

短期滞在ビザの申請には、上記のような訪問の目的のどれにあたるかを証明する資料の提出が必要 となります。例えば、商談目的であれば、日本の企業からの招へい理由書や滞在予定表などが求められます。

あくまで「短期」に達成できる目的のために発行されるビザです

そのため、日本国内において報酬を得て仕事をする時や、日本国内に90日以上滞在する時など短期滞在の要件に該当しない場合、原則、出入国在留管理庁で在留資格認定証明書を取得の上、ビザ申請人が居住する国・地域を管轄する在外公館でビザ申請を行う必要があります。

例えば、次のようなケースに応じた在留資格の申請が必要になります。
留学目的:大学や高校などで教育を受ける場合は「留学ビザ」を申請
就労目的:日本の企業に就職する場合は「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを申請
家族滞在:在留資格をもって滞在する外国人の家族が扶養を受けながら家族として滞在する場合は、「家族滞在ビザ」を申請

ビザ免除対象国と注意点

ビザ免除とは?

このような短期滞在ビザですが、日本には、一部の国や地域のパスポートを持つ外国人が 短期滞在ビザなしで入国できる「ビザ免除措置」 があります。これにより、対象国の人々は 観光・商用・親族訪問などの目的 で、最長90日まで(国によっては15日または30日以内)ビザなしで滞在 することが可能です。


ビザ免除国の一覧

日本は現在71の国・地域に対するビザ免除措置を実施しています。以下はその代表的な例です。

地域免除対象国・地域
アジア韓国、香港、マカオ、シンガポール、台湾、マレーシア、タイ
北米アメリカ、カナダ
ヨーロッパイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、オランダ、ベルギー、
スウェーデン、ノルウェー、デンマーク など
オセアニアオーストラリア、ニュージーランド
中南米アルゼンチン、チリ、ウルグアイ
中東アラブ首長国連邦(UAE)

✅ 最新のビザ免除対象国の情報は、外務省の公式サイトで確認してください。
(外務省:ビザ免除国一覧)

ビザ免除の場合の注意点

ビザ免除が適用される場合でも、以下に注意する必要があります。

  1. 滞在期間の制限
    • 一般的に 90日以内 の滞在が可能。ただし、国によっては 15日または30日以内 に制限される場合があります。
    • 例えば、インドネシアやタイは 15日ブルネイ、UAE及びカタールは 30日となります。
  2. 就労の禁止
    • ビザ免除で入国した場合でも、日本国内で 報酬を得る活動(就労)は禁止 されています。
    • 例えば、アルバイトやビジネス活動で収入を得ることはできません

短期滞在ビザの申請方法

上で紹介した査証免除国以外の国・地域の外国人が短期滞在で日本に入国するには、それぞれ国の在外公館(日本大使館・総領事館)で短期滞在ビザの申請が必要です。申請者の国籍や渡航目的によって必要な書類や手続きが異なるため、事前に日本大使館などのHPで必要書類を確認しておくことが重要です。

ここでは、基本的な申請の流れを解説します。


申請の流れ

短期滞在ビザの申請手続きは、基本的に以下のステップで進められます。

① 必要書類の準備

短期滞在ビザの申請に必要な書類は、基本的に以下の通りとなります。

申請人本人が用意する書類と、日本に招待する側が用意する必要がある書類があります。
なお、渡航目的や国籍により異なるので、事前に在外公館のウェブサイトを確認することが重要です。

1 親族訪問の場合

  • 申請人が用意する書類
    • ビザ申請書
    • 有効なパスポート
    • 顔写真(規定サイズ)
    • 親族関係を証明する書類(戸籍謄本、出生証明書など)
    • 渡航費用の支弁能力を証する書類(所得証明書など)
  • 招へい人が用意する書類
    • 招へい理由書
    • 招へい理由が分かる資料(卒業式や結婚式などの日程が分かる資料)
    • 滞在予定表

2 短期商用の場合

  • 申請人が用意する書類
    • ビザ申請書
    • 有効なパスポート
    • 顔写真(規定サイズ・背景指定あり)
    • 商用であることを証明する書類(出張証明書、派遣状など)
    • 在職証明書
  • 招へい機関が用意する書類
    • 招へい理由書
    • 滞在予定表

3 観光の場合

  • 申請人が用意する書類
    • ビザ申請書
    • 有効なパスポート
    • 顔写真(規定サイズ・背景指定あり)
    • 利用予定の航空便又は船便が記載された書類(出入国日が分かるもの)
    • 渡航費用の支弁能力を証する書類(所得証明書など)
    • 滞在予定表

② 申請書類の提出

必要書類を準備したら、日本大使館や総領事館、または指定されたビザ申請センターに申請を提出します。

ビザの申請は原則として申請者本人が行う必要があります。

招へい人が用意した必要書類は、事前に申請人に送付します。

申請場所

  • 申請者の居住国にある日本大使館または総領事館
  • 指定されたビザ申請代理機関(国によっては代理申請が義務付けられている場合もある)

申請方法

  • 窓口で直接申請(予約が必要な場合あり)
  • 一部の国では、指定された代理申請機関を通じて申請
  • 観光を目的とする場合、一部の国では オンライン申請 も可能

申請後、書類に不備があれば追加提出を求められることがあります。特に、渡航目的に関する証明書類はしっかり準備しましょう。


③ 審査と結果通知

申請後、日本の在外公館で審査が行われます。

審査期間

  • 概ね5~7営業日 で審査が完了
  • 追加審査が必要な場合などは 数週間 かかることもある

結果の通知

  • ビザが発給された場合、パスポートにビザが貼付された状態で受け取る
  • 不許可になった場合は、その理由が通知されることはなく、再申請する場合は内容を見直す必要があります。

④ ビザの受領と渡航準備

ビザが発給されたら、パスポートを受け取り、日本への渡航準備を進めます。

入国時の注意点

  • 短期滞在ビザの有効期限は、発給日から3か月間です。発給日から3か月以内に日本へ入国しない場合、ビザは無効となります。

短期滞在ビザの種類

また、短期滞在ビザには、一次査証(シングルビザ)数次査証(マルチビザ) といった種類があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

① 一次査証(シングルビザ)

有効期間:3か月/入国回数:1回のみ

特徴

  • 1回の入国に限り有効なビザです。
  • 日本に入国し、出国するとそのビザは無効になります。
  • 観光、親族訪問、商用など一般的な短期滞在の目的で発給されることが多いです。

② 数次査証(マルチビザ)

有効期間:1~5年/入国回数:何度でも可

特徴

  • 有効期間内であれば何度でも入国可能 なビザです。
  • 指定された国籍、身分、職業など特定の条件を満たす場合に限り発行されます。
  • ビジネス目的など、何度も訪問するような目的で利用されます

まとめ

短期滞在ビザは、日本で観光や親族訪問、短期商用などを目的とする外国人が90日以内滞在するためのビザです。ビザ免除対象国の人々は、一定の条件を満たせばビザなしで日本に入国できますが、免除の対象外の国籍者は、事前に適切な申請手続きを行う必要があります。

短期滞在ビザとは?

  • 90日以内の観光、親族訪問、短期商用などの目的で日本に滞在するためのビザ。
  • 就労活動は禁止。

ビザ免除対象国の条件

  • 短期滞在においてビザが不要な「査証免除国」がある。
  • 滞在目的が適切であること、入国審査を通過することが必要。

短期滞在ビザの申請方法

  • 日本国外の日本大使館・総領事館で申請。
  • 必要書類を準備し、申請者本人が申請を行う

短期滞在ビザの種類

  • 一次査証(シングルビザ):1回の入国のみ可能。有効期間3か月。
  • 数次査証(マルチビザ):有効期間1~5年で、繰り返し入国可能。

🔹 短期滞在ビザをスムーズに取得するためには、事前に必要書類を確認し、余裕を持って申請することが大切です。


お問い合わせ

ご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください

PAGE TOP